資本金 はいくらがいいか
会社を設立しようと思ったとき、多くの方が最初につまずくのが 資本金 の額をいくらに設定すべきかという問題です。特に「少なくても問題ないのか」といった疑問を抱える方は非常に多いでしょう。この記事では、 資本金 の基本的な意味から、金額ごとのメリット・デメリットを解説します。ちなみに2024年の統計によると、法人設立時の平均資本金は約500万円前後と言われています。

Contents
資本金 とは
資本金 の定義と役割
資本金 とは、会社が事業を始めるにあたって、設立時に出資者が会社に出すお金のことを指します。このお金は事業運営の元手になると同時に、取引先に対する信用の裏付けともなる重要な存在です。
会社の信用力に与える影響
取引先や金融機関は、 資本金 の額を一つの目安にして、その会社の規模や信用力を判断することがあります。たとえば同じ業種でも、資本金が100万円の会社と1,000万円の会社では、後者のほうが取引先からの信用が高い傾向にあります。
資本金 と設立費用の違い
よく誤解されるのですが、 資本金 は会社設立に必要な費用とは別物です。設立費用は登記や定款認証などにかかる実費ですが、資本金は会社の運営資金として会社に残るお金です。
- 資本金はあくまで会社の元手であり、返済不要なお金です。
- 設立費用は一度支払えば消えるコストであり、運転資金にはなりません。
- 資本金が少ないと、実質的な運転資金が不足するリスクが高まります。
資本金 が多いメリットとデメリット
多いと信用度が高まる
資本金 が多いと、会社としての信用度が上がるというメリットがあります。金融機関の融資審査でも有利になることが多く、取引先からの信頼も得やすくなるのが現実です。
税金面の注意点
しかし 資本金 が大きいと、法人住民税の均等割額が高くなるなど、税金面での負担が増えるデメリットがあります。例えば資本金が1,000万円未満で事業所の従業者数50人以下ならば、法人住民税の均等割は年間7万円ですが、1,000万円以上になると年間18万円以上に増えてしまいます。
| 資本金の額 | 法人住民税 均等割額 |
|---|---|
| 1,000万円未満 | 7万円 |
| 1,000万円以上 | 18万円以上 |
この表はあくまで一例ですが、 資本金 の多寡によって税額が大きく変わる点は知っておく必要があります。
増資時の手続き負担
多額の 資本金 を出資する場合、出資者間での出資比率調整が複雑になりがちです。特に複数人で起業する場合は、出資金額の差が経営権に影響を与えるため慎重な話し合いが必要です。
資本金 が少ないメリットとデメリット
低コストで設立可能
資本金 が少なければ、設立時の準備資金を抑えられます。例えば100万円以下でも会社設立は可能であり、創業初期の金銭的負担が軽くなるのは大きなメリットです。
信用面の不安
しかし 資本金 が少ないと「資金力が乏しい会社では?」と取引先から不安視されることがあります。また、融資審査で不利になることもあります。
資金繰りリスク
資本金 が少ない場合、運転資金が枯渇しやすいリスクがあります。特に売掛金の回収まで時間がかかるビジネスでは、初期の運転資金が重要です。
- 資本金が少ないと、資金ショートの可能性が高まる。
- 想定外の経費や支払いが生じたとき、自己資金で補填する必要が出てくる。
- 金融機関の融資審査で不利になるケースが多い。
資本金 300万円での違い
純資産が300万円未満の会社では配当金をだせない
資本金 を300万円に設定するケースは多いです。純資産 (資本金+剰余金) が300万円未満では配当金が出せないことが理由のひとつです。
資本金 1000万円での違い
免税事業者制度の適用外になる
資本金が 1,000万円 以上だと、消費税の免税事業者になれません。これは設立1期目から消費税納付義務が発生するという意味で、資金繰りに大きな影響を与えるポイントです。また、上記のように1,000万円以上になると法人住民税 均等割額が高くなります。
資本金 1億円での違い
資本金1億円以下で受けられる制度・特例一覧
| 制度・特例名 | 資本金1億円以下の優遇内容 | 資本金1億円超の取扱い |
|---|---|---|
| 法人税の軽減税率 | 年800万円以下の所得に対して15%の軽減税率を適用可能。(通常23.2%)例:所得1,000万円の場合→法人税166.4万円 | 全所得に対して一律23.2%。例:所得1,000万円の場合→法人税232万円 |
| 交際費の損金算入 | 次の①②のいずれかを選択可①交際費800万円まで全額損金算入②接待飲食費に限り50%まで損金算入 | 接待飲食費に限り50%まで損金算入※資本金100億円超は全額損金不算入 |
| 外形標準課税の適用 | 外形標準課税の対象外。法人事業税は「所得割」のみ課税。 | 外形標準課税の対象。法人事業税は「所得割」「付加価値割」「資本割」が課税される。 |
| 法人住民税の均等割 | 資本金1,000万円超1億円以下:従業員50人以下→18万円従業員50人超→20万円 | 資本金1億円超10億円以下:従業員50人以下→29万円従業員50人超→53万円 |
| 少額減価償却資産の特例 | 30万円未満の資産を年間300万円まで即時償却可能。※青色申告法人、従業員500人以下などの要件あり。 | 特例の適用なし。通常は10万円未満しか即時償却できない。 |
| 留保金課税の免除 | 特定同族会社でも留保金課税が免除される。 | 特定同族会社は一定額超の留保金に10~20%課税。 |
| 欠損金の繰戻還付 | 欠損金を繰戻して前期法人税の還付を受けられる。また、繰越控除では当期所得全額を控除可能。 | 欠損金の繰戻還付は適用不可。繰越控除は当期所得の50%が上限。 |
信用面で圧倒的に強い
企業規模が大きいと評価され、信用力はさらに高まります。特に大企業との取引や大規模プロジェクトの入札では「資本金1億円以上」が条件となることも多く、ビジネスのチャンスが広がります。金融機関からの融資審査でも非常に高い評価を受けやすく、上場を目指す企業では、1億円超の資本金が一つのステータスとなることも多いです。
資本金 は後で変更できる?
増資は可能だが手間がかかる
資本金 は会社設立後に増資することが可能です。しかし、登記費用や司法書士報酬がかかるため、手続きの手間とコストは無視できません。
減資はさらに難易度が高い
減資も可能ですが、債権者保護手続きが必要で、手続きの難易度が非常に高いです。特に債権者からの異議が出るとさらに時間がかかります。
私の場合 (私は300万円にしました)
300万円に決めた理由
消費税の免税事業者になることや法人住民税を抑えること、最低限の信用力を確保したい、以上から私は 資本金 を300万円に設定しました。私の資金力では初期投資と経営リスクのバランスを考えるとちょうどよいような気がします。
まとめ
結局のところ、 資本金 の額に正解はなく、事業規模や業種、今後の成長計画によって最適解は変わります。ただ、一度設定した金額を後で変更するのは簡単ではないため、しっかりと資金計画を立てた上で慎重に決めることが大切です。


